突然ですが、最近はまっているのがトレント・レズナーのサウンドトラック。 トレント・レズナー はNine Inch Nailsを率いる破壊的なロックのイメージの人でもありますが、実はとても作曲能力の高い人でこれまでにも「The Social Network」や「WAVES」のスコアなど名だたる作品のサントラを制作。その能力も認められ昨年はロックの殿堂入りも果たしました。驚きだったのがジャズの素養もある人で、最近だとNETFLIXでデビッド・フィンチャー監督の
『MANK』のサントラを制作。これは1930年代のハリウッド「市民ケーン」の誕生の舞台裏を描いた作品なんですが、当時のジャズをムードたっぷりに演奏していて ハマり具合がすばらしいです。デュークエリントンやカウントベイシーなどを彷彿とさせるビッグバンドなサウンドメイキングも聴き所です。さらに最近は、ディズニー&ピクサーの最新アニメーション映画『ソウルフル・ワールド
(原題:Soul)』のサントラも担当。こちらはジョン・バティステ(Jon Batiste)の楽曲「Bigger Than Us」も各所で話題となっている作品で「MANK」とはまた違った、洗練されたJAZZとイマジネーション広がる想像の世界のサウンドを披露。どちらも流石の出来栄え。サブスクリプションで聴けるので是非聞き比べしてみてください。
『Unknown-Silence Sampler vol.1 / Quiet answer from Kyoto』
Choro Clubで知られる音楽家、沢田穣治さんが昨年新たに立ち上げたレーベル「Unknown Silenc(アンノウン サイレンス)」。unknown・silence・monochrome・nowhereという4つのコンセプトをモットーに掲げ、かつてジョン・ケージが「沈黙」の中に音を発見した地である古都・京都(近郊)より発信されています。2021年初めての配信となった今作は沢田さんが手がけたジャズ系室内楽の近作から未発表音源を中心にコンパイルしたもの。レーベル名からも推測できるようにこの作品は沢田さんが若かりし時に影響を受けたECMサンプラーからをイメージされたそうで、幅広い音楽性を持つ沢田さんの中でもジャズカタログ的な内容となっています。今の時代や空気感にとてもフィットしています。
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『Journey to the Mountain of forever / Binker & Moses』
イギリスの現在進行形の実力派ユニット「ビンカー・アンド・モーゼス」。ドラマーのモーゼス・ボイドとサックス奏者ビンカー・ゴールディングが2014年に結成した今話題の新世代ユニットです。ロンドン・ジャズの最重要スポットのひとつであるトータル・リフレッシュメント・センターでコロナ禍前に行われたセッションライブがデジタル・リリース。これがシンプルにかっこいい。自分たちの楽曲を土台にし、次々と変化させていく圧巻のインプロビゼーション。ライヴが恋しくてたまらない今だからこそ是非聴いてほしい作品です
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『Under The Moon / maiko』
ジャズヴァイオリニストmaikoが、リーダー作として10枚目となるアルバムをリリース。今作は彼女のライフワークでもある、完全ヴァイオリンソロ。コロナ禍で抱えた孤独、不安。自らと向き合うことが増え、それでも同じ時を生きて、同じ月を見ているから安心して欲しいという温かいテーマが込められています。月にまつわる5つの楽曲が、彼女のシルクの糸のように美しい音色で紡がれます。蕨のライブスペースOur Delightにてレコーディング。ほっとしたいひとときにおすすめです。
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